残暑お見舞い申し上げます。
身の置き所のないような暑い日が続いています。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
初めて味わう夏の過酷な暑さは、子どもをどれだけ強くしてくれることでしょう。
お母様は夏ばてしないよう、夫の夏休みとクーラーをほどほどうまく利用して、この夏を乗り切ってください。
■0歳児って、0歳児って・・・
教科書に載らない、ママの叫び声集
注)あてはまらないこともある。
○生後1〜2ヶ月の子どもさん
抱っこが大好きで、置くと泣きます。立ってゆらゆらされるのは好きですが、お母さんが座ると許しません。飲むのがまだ下手で、すぐに疲れて寝てしまいますが、おっぱいから口を離そうとすると、「まだ飲んでますけど」のようにアピールします。飲んだはずなのに30分もするとまた泣くので、もう一度くわえさせると飲んだりします。体は大きくなっているのに、足りているのかどうか判断できません。ミルクを足すと際限なく飲んだりします。で、吐いたりします。大きなおならをします。人がいる時はとてもいい子ですが、お母さんと二人きりになるとぎゃーぎゃー泣きます。でも寝ながらひちりで微笑んでいたりするときはかわいいです・・・。
○生後3〜5ヶ月くらいの子どもさん
一番楽に感じられる時期です。寝るようになるし、おっぱいが上手になるし、あやすと笑うし、誰でもいいし。でも遊び飲みをしたり、一人で寝返りをしてうつぶせに寝ていたりしてドキドキさせます。
○生後6〜8ヶ月くらいのこどもさん
人見知りして、「まあかわいい」なんて急に愛想良く近づいてくるおばさんがいると「ぎゃー」と泣きます。夜ママじゃないと寝ないです。ママの姿が消えると必死で呼びます。叫び声を出します。電話やインターホンがなると騒ぎます。お母さんの持っているものが大好きでイタズラします。「これで遊んで」と持たせるおもちゃには見向きもしません。寝相が悪いです。
○生後8ヶ月から1歳の子どもさん
後追いで家の用事が進みません。朝から夜までストーカーされて、何もできません。それなのに離乳食が始まって、忙しさ倍増です。でも本当はこっそりひとりで遊んでいます。時々静かだなーって気を抜いていると、触ってほしくないものを触っています。指さしやことばが出てきて、かわいいです。
■ユニセフからの手紙 〜夏〜
−前文略−
水は命の源です。人が健康に生きるためには、最低でも1日20リットルのきれいな水が必要だといわれています。しかし、私たちユニセフのスタッフが開発途上国で目にするのは、5リットルの水さえも手に入れることができない子どもたち、そしてやっと手に入れた水に命を脅かされる子どもたちの姿です。
アンゴラの赤ちゃん、イザベルが生まれた熱帯の村には井戸がありません。飲み水といえばお母さんが遠くの川から汲んでくるわずかな水だけ。しかもその水は汚れていて、イザベルを頻繁に下痢で苦しめます。実際イザベルは、生まれてから1歳の誕生日を迎えるまでに、10回以上も下痢を繰返しました。その度に体力を失い、誕生日のすぐ後、下痢による脱水症で短すぎる一生を閉じたのです。
世界ではこうして、1日4100人、年間150万人の幼い命が失われています。
スーダンでは大勢の子どもたちが、泥でよどみ、細菌や寄生虫を含んだ水を飲んでメジナ虫症に感染し、「火を噴く痛さ」に苦しんでいます。エクアドルやバングラデッシュの子どもたちは、洪水によって汚れた水のために、コレラやマラリアの脅威にさらされています。そして多くの途上国の子どもたち、とりわけ女子は、池や川など遠くの水場まで水汲みに行かなくてはならず、小学校に通うこともかないません。
子どもたちの命を奪い、健康を奪い、未来を奪う水−
この悲惨な事実はしかし、きれいな水がたくさんあれば、
井戸があれば、すべてを劇的に改善できるということを
伝えています。
井戸ができると、子どもたちの生活はどのように変わるのでしょうか。
アフリカ・ブルキナファソの村に井戸がつきました。手でポンプを押すとたくさん出てくる透明な水に、子どもはおおはしゃぎです。これでもう、汚れた水で下痢にならなくてすみます。飲むだけではなく手や体を洗えるので、感染症にもかかりにくくなります。一番うれしそうなのは女の子たち。もう水汲みにいかなくていい、学校で勉強できる、と胸を躍らせています。洗濯にやってきた母親たちも、子どもたちに負けないよう井戸端でユニセフの保健員と一緒に衛生について勉強します。学校では将来に向けて野菜の育て方も学びます。できた野菜は給食にします。給食があると子どもたちが学校にやってきます。教室では子どもたちが初めて習う文字や計算に目を輝かせています。
これは夢物語ではありません。たった一つの井戸が子どもたちの命を守り、健やかな成長を支え、希望ある未来を開く扉となる−水にはそんな力があるのです。井戸を作ることは、子どもたちの未来を変えることです。−中略−
ユニセフ プライベート・ファンドレイジング&パートナーシップスディレクター
フィリップ・オブライエン
夏と冬にはユニセフからの手紙が届きます。日本でさえ感じる灼熱の夏の暑さを、遠くの国の子どもが命をかけて体感していることを思い知らされます。日本に生まれて幸せ、でも日本の子どもたちだけが幸せでいいのかな、日本の子どもは幸せなのかな、と、この手紙を読むと考えされられます。自分が苦労して汲んだ水を飲んで、自分の子どもが手の中で死んでいくのを、お母さんはどんな思いで抱きしめて見ているのかな、そんな想像をしてしますのでした。育児相談通信にしては重苦しい話で申し訳ありません。このことを通してお母様方と、日本の子どもにとっての「水」は何かな。健やかな成長を支え、希望ある未来を開く扉となるものって何かな、と一緒に考えたいと思いました。
■兄弟子育てはつらいよ・・・ つらいか・・・
いや、楽しい・・・ どっちも・・・
子どもさん二人目、三人目のお母様、子育ていかがですか。
よく健診や育児相談で「上の子をかまってあげられなくて、ついつい叱ってばかりでかわいそうにと思う」「上の子に手がかり、赤ちゃんのお世話がまともにできず、ほったらかしでかわいそう」「下の子のお世話をしていると、じゃましにきたり、相手にしないといじけたりするので、イライラしてしまう」「赤ちゃんが泣いていると、一緒になって泣いたりぐったりするので、ちゃんとしていてほしいと思って、ついイライラしてしまいあたってしまう」「下の子がかわいくて仕方がない反面、かわいがっていた上の子を叱ってばかり」という声をいただきます。
一人目の子育ての時には、ちょっと「ふぇ・・・」と声をあげれば、ダッシュでかけより「抱っこですかっ、オムツですかっ、おっぱいですかっ」と100%以上の力で要求に答えていました。置くと泣く、夜中に何回もおっぱい、寝ない、食べない、よく泣く赤ちゃんに、いいように操作されていたのでは。ところが二人目が泣き始めるとかなりの確率で上の子が「ママ抱っこして」「赤ちゃんのことやらないで」「おなかすいた」「眠い」と赤ちゃんのときのような調子で要求してくる。それに答えないと余計大事になるので、まず上の子の欲求を満たしているうちに、さっきまで泣いていた二人目の子が泣き止んですやすや眠っている。「・・・さっきの用事はなんだったのですか・・・オムツですか、抱っこですか、おっぱいですか・・・」と寝顔を見つめて呆然。3回に2回、いや1回くらいしかまともに泣きに付き合えない。赤ちゃんて、とっても手がかかるはずだったのに、この違いはなに、と思われている方も少なくありません。
動物は、丸くて額が広くて目と鼻と口が真ん中にチマチマ寄っていて、ふわふわしてあたたかいものをかわいがるようにプログラミングされているので、赤ちゃんは無条件にかわいがるのだそうです。だから上の子より赤ちゃんがかわいいのは動物的行いで仕方がないとか。
そのうち、いま赤ちゃんのこの子が上の子くらいの年になるときっと、きかん坊の「とんでもちゃん」になり、その頃おにいちゃんおねえちゃんはとってもききわけのいい、頼りになる子になっているはず。お母様方の訴えも今はあって当たり前の時期なのでしょう。小さい子がいると、上の子を思い切り遊ばせたりする時間も気力も体力もないしね・・・。
兄弟育児でよく言われるのは、上の子をまず先に満足させること。要求がなくても、名前を呼んで大人の方からにじり寄る時間があること、お手伝いをたくさん頼んで「頼りにしてるよっ」と伝えること、赤ちゃんが泣いたら「ねえねえ、○○が泣いているんだけど、どうしたのかな」相談を持ちかける、などしてみて、君が必要だよ、大好きだよ、という気持ちを伝え続けましょう。かーっとなって怒りたくなったら、一瞬「あっぷっぷー」とやって噴火しそうな顔をクールダウン。たまには一時保育に預けてもいい。パパに連れ出してもらって、そのときに必ずパパと「ママには内緒だよ」という二人だけの秘密を持ってもらい「なんだか得したなあ・・・」って思ってもらいましょう。健診の時にはもちろん「兄弟がいてよかった」「上の子が下の子をとてもかわいがってくれてうれしい」「二人でニコニコしているときが一番幸せ」という肯定的な声も聞かれます。いいこともたくさんあるはずです。こんなに怒ってばかりで・・・なんて思わなくてもいいので、なるべくイライラを溜めない方法を選んでみてください。
いつかきっとお兄ちゃんが私の力になってくれるはず、と言い聞かせて、今日も楽しくのりきりましょう。育児相談や子育て相談、育児学級などもいろいろ利用してください。
一人目育児の皆さんは、今が一人に全力投球で、ひとりに全力投球できない状況など想像することも難しいと思いますが、一人のときは一人に、二人のときは6:4、7:3、8:2で力を分散することになります。それでも子どもは生きていけるので、常に10でなくてもいいんだなあ、と思っていただけたら幸いです。
■1985年8月12日 群馬県御巣鷹山 日航機墜落
日航機墜落事故を記憶に残しているお父様お母様どれくらいいらっしゃるでしょうか。早いもので23年経ちました。1985年は皆さんどこで何をしていらしたでしょうか。毎年8月の育児相談通信にはこの記事を書いています。もしかして上のお子さんの育児相談に来ていた方や、他の地区の育児相談通信で読んでいる方もいらっしゃると思います。またか・・・と思われるかもしれませんが、お付き合いください。
23年前のこの日、群馬県の御巣鷹山に524人の乗客を乗せた日航のジャンボ機が墜落しました。その事故で奇跡的に助け出された生存者の中に、当時12歳だった川上慶子さんがいました。戦場の焼け野原を思わせる山の頂上から、ヘリから降りるロープで吊り上げられる女の子の映像を今も忘れません。
20年たち、あの少女川上慶子さんが今子育て真っ最中だと新聞で知りました。一緒に乗っていた父、母、弟が亡くなってしまい、自分が助かった、それはうれしいことでもありどんなに悲しいことだったか想像もできません。10代の少女には辛すぎることだったでしょう。
しかし、どんなにつらくても、命のバトンをつないでいる川上さんは、皆さんと同じ子育て中です。どんな思いで繋いだ命のバトンを切らさず、守り、走り続けているでしょうか。
新聞のその記事には、23年前ただひとり家に残って事故に遭わなかった、慶子さんの兄、千春さんの事故当時からの想いがつづられていました。
「生きる意味、ようやく見出せた」という見出しの記事。「失ったものがあまりに大きく、14歳の男の子には辛い挫折だったが、今はあたたかい家庭を育み『父となりようやく生きる意味が見出せた気がする』と語った」、という内容でした。
川上千春さんも家庭を持ち、お父さんになり、突然いなくなった父と母がことばで伝えきれなかったことを感じ取って、父と母の命をつないだことから自分の生まれ出た源を身ももって体験し、生きている実感、生きる意味を見出した、ということではないか、と解釈しました。
お母さんにはいつも元気で生きていてほしい、じぶんの傍らで輝いていて欲しい、こどもは本当にそう思うと思うのです。お母さん元気でいてください。孫の顔をみて、なりふりかまわず無条件にかわいがるおじいちゃんおばあちゃんになるまで、元気でいてください。
夏は終わるはずなのに、雷、豪雨、夏の始まりのような天気が続きます。おちおち外に洗濯物を干しておけません。
皆様いかがお過ごしですか。
ほんの少し涼しくなって、お散歩に出やすくなりました。
雨の間をぬって、いわし雲を見つけに出かけましょう。
■あんたにはあげないからね
離乳食を食べない・・・とお困りのお母様方、毎日離乳食作りお疲れ様です。せっかく一からだしをとって、無農薬野菜をとろっとろに煮込んで、ふーふー冷まして、とびっきりの笑顔で「はいどーぞ、おいしいよお」と口元に持っていったのに、「ふいっ」と横をむいて口に入れたがらない・・・。むきーっ。そんなはずは、ともうひとさじ口に運ぶと「ぶーっ」と口から吹いて「ぎゃー(椅子からおろせー)」と叫ぶ、一日三回ノイローゼになりそう・・・、昨日はトマトをちょっと食べたから今日もあげてみよ〜、と思うと「はあ、それ昨日たべたけど?」といわんばかりに口から吹き出され、今日は一口も・・・ということも。
離乳食があるばっかりに、一日三回ノイローゼになったり、親子で冷たい戦争になったりしたらお互い精神衛生上よくないので、ちょっと戦いから退いてみませんか。
たまには「食べる?あっそう食べないの、お母さんこれ食べるから」とわっしわっしおいしいもんをほおばって食べてみましょう。たいがいお母さんの持ち物には興味のある方々なので、ちょとあんたそれなに?と騒ぎ出すでしょう。これか?これはお母さんの食べ物だ、君にはやらん、と言って食べ続けましょう。最後の方に「しょうがないなあ・・・」と同じ皿からすくったように離乳食を口にもっていってみよう。案外ちょっと堅いもの、ちょっと大きいものなど食べたりします。「よこせー」、「やらん」で少し遊んで、眉間のしわをとってから食事にしれみませんか。
■おっぱいであれこれ・・・
おっぱいだけで赤ちゃんを育てているお母さん。どのくらい出ていて、どのくらい飲んでいて、どのくらい子どもの育ちに助けになっているかわからず、おっぱいという子どもが生きていく力に全責任を負わされたようで、その負担に負けそうになっていませんか。
子どもが小さいと、「栄養がないのでは」「飲めていないのでは」と不安になり、すぐに泣かれると「足りないのでは」と不安になり、飲んでいる途中で遊びだすと「嫌になったのでは」「おいしくないのでは」と気になり、夜、おっぱいをあげても泣きつづける子にフラフラになり困惑し、そんな中泣きに負けたほかの家族に「おっぱいが足りないんじゃないのか、ミルクをあげろよ」と言われ「そうかも・・・」と自信も今までの苦労も崩れたりして。
たくさんのお母さんがこの時期を乗り越えて、自分なりの子育てを見つけ、そのうち子どもは「おっぱい」だけでなくご飯を食べる子どもになっていて、あの頃の苦労は、苦悩はいったいなんだったんだと思えるようになるようです。
「これでいいわ」と思えるようになるには母、子ども、他の家族ともに、ある程度の成長の時間が必要になります。ゆっくり焦らずにいきませんか。心配ならば、一人で悩まず他のお母さんに聞いてみたり、保健相談所に相談してみたりして、自分の答えを見つける手伝いを求めて、この時期を乗り越えませんか、きっと大丈夫なんだなあ・・・。
おっぱいがあんまり出なかったり、子どもの体調や、自分の体調や、もろもろの事情でおっぱいだけじゃないおかあさん。
母親なのになぜこの子に充分おっぱいをあげられない、と自分を責めたり、夜中に起こされてねぼけながらミルクを作るのがとてもめんどうくさくなったり、おっぱいおっぱいと周りの人がやっているのに、寝てくれるのはありがたいけれどこれでいいのか、等とふと不安になったりしていませんか。
いい〜ぃんです。いいじゃあーりませんか、ミルクだって、おっぱいだって、こどもをかわいがって、いとおしいんで、たくさん悩んでお母さんになっているのだもの。
子育ての答えはひとつじゃない、栄養=おっぱいじゃない、いろいろな「快を感じられる」ことも栄養だから。おっぱいの分、他のことでたくさん悩んだり、苦労したりきっとしているから、一緒に成長していくのは同じだから、きっと大丈夫なんだなあ。
いろいろな家庭の、いろいろな人の、いろいろな立場の、いろいろな子育てを、一緒に子育てしていく仲間同士で分かり合っていきたい。そのことで、自分の子育ての幅がぐーんと広がるし、自分の子どもも「いろいろでいい」と思えるようになったりするのではないかと、思うのです。これをおっぱいを例に考えてみました。おっぱいや育児を通して、いろいろな人が生きている、ということを子どもさんに教えられる種ができていくと思うのです。
小さいうちは、ほんとはたくさんいっぺんに飲めないし、お母さんのにおいを求めておっぱいを吸っていることもよくあるから、ちょっと飲んで寝て、またすぐ起きて泣いて、少ない量で回数飲むようにできているようです。「3時間ごとに」なんて機械のように行くわけない。同じ量で大きくなる度合いは人の細胞によって違うようにできているのだから、大きさが違っても当たり前。かけっこが速かったり、絵が上手だったり、人によって個性があるから、おっぱいを吸うのがやたら上手な子がいても、やたら下手で後から上手になる子がいても、おっぱいが下手で離乳食だけ上手な子もいるわけです。これからのことは誰にもわからない。自分の子どもの言い分をよく聞いて、自分のおっぱい、自分の子育てを見つめていくことが、どの本にも載っていないお母さんの子育ての答えだと思います。
育児相談では、たくさんのお母さん同士があえるので、たくさんのお母さんの子育てを知ることで、自分の子育てのこやしにし、自分の子育てを見つめてほしいと思います。
■おかあさん お大事に・・・
最後に健康診断を受けたのはいつだったかしら・・・、そんなお母さんはいらっしゃいませんか。なんとなく体が重くて、朝もすっきりしない、常に眠いのに、夜になると眠れなくて、やる気がおきないけれどやらなくてはいけないことは山積み、なんだか片付かなくて気が重い、やたらと食べたい、便秘がち、これらすべて「育児疲れ」で片付けていませんか。
「自分のことにかまえない年代が乳がん年齢です」ってポスターがあったけど、子育て中だからって、自分を後回しにしていませんか。疲れているのだから、普段の時より体調が悪くなりやすいのではないでしょうか。最後の力を君の笑顔で振り絞って毎日を生きているのがお母さんですが、遅くまで働くお父さんと同じくらい子育て世代の健康には私たちは不安を抱いています。一度寝込むほどの体調不良に見舞われたことのあるお母様は感じたと思いますが、病気になってもおちおち寝てはいられない。お母さんが元気じゃなくちゃ始まらない。さあ、みんなで体調管理をしよう。自分の体の中に何かが起きていないか確認しよう。お母さんには元気でいてほしいからね。
保健相談所では、月に一回「生活習慣病予防検診(40歳未満)」という無料の健康診断があります。毎月区報の11日号に次の月の申し込み方法が載ります。ぜひお申し込みください。子どもづれのお母様がたくさんいらっしゃいます。
ほかには、お母さんの心の健康を保つために、精神科医やカウンセラーによる相談日もあります。あまり構えずに、保健婦に相談するような気持ちで利用してみてください。お母さんの体調を悪くしている原因はもしかして「我慢」「がんばり」「孤独」そんなものかもしれません。体調のチェックが終わったら、心のケアもお忘れなく。
お母さん お大事に。
蛇足ですが、お父さんも働きすぎです。お父さんもお大事に。
朝晩冷え込むようになったなあ・・・と思ったら、町のあちらこちらから金木犀の香りが感じられるようになりました。雨さえ降っていなければお外に出るには最高の気候です。
金木犀の香りを吸い込みに、お外に出かけてみませんか。
■乾燥の季節に備えて あせも、かさかさ 彼岸まで
つい最近まであせもの記事を書いていたのに、今日は乾燥肌の記事を書くことになりました。空気が乾燥してきたのを感じられていると思います。乾燥肌の私の肌は、この空気の乾燥を見逃しません。今年は台風や雨が多いおかげか、少しだけ肌の調子もいくらかいいのですが、いつもはお彼岸を過ぎた日から体のあちこちががさがさして、かゆくてたまりません。お彼岸を過ぎると保温がかかせなくなります。同じような悩みを抱えたお母様、赤ちゃんはいませんか。
よく、この季節から冬の間、ほっぺがかさかさになり、擦り切れてしまう赤ちゃんに出会います。40過ぎの私よりずっと水分が多くみずみずしいはずの赤ちゃんも、外界の乾燥には勝てないようです。「君もか・・・私もだ・・・」などとすれ違いざま独り言のひとつも言ってしまいます。
さすがにもう「痒くて眠れない」というのはいやなので、スキンケアはかかしません。あかちゃんのお肌にかさかさ信号の出ている方は、真冬になる前からスキンケアを始めましょう。なってから治すより、ならないように保湿、これが簡単です。
お風呂ではしっかりと汚れと石鹸成分を落とします。(お肌しっとり、の入浴剤は、肌のかさかさする人には余りあいません)風呂から上がってまだほかほかとからだから湯気が出ている間に、保湿剤を擦り込みます。あまりべたべたするものは赤ちゃんも好みませんので、手足、顔はさらりとした塗り心地のものがよいようです。乾燥した肌に塗ると、とても刺激になって痛痒い時があります。一度肌が湿ってから塗ると効果的です。
赤くなってしまっている部分は、肌の表面の炎症が起きています。そうなってしまうと保湿剤だけでは治りにくく、むしろ保湿剤がひりひりしみることがあります。そういう時には皮膚科で炎症止めの入った軟膏をもらって、赤みが消えてから保湿剤を続けると良いと思います。塗り重ねはしないで、次に塗るときにはまた元に戻し、汚れと前の薬をやさしく洗い流し、しっかりと落としてから塗ります。
肌のトラブルがない赤ちゃんは本当にラッキーです。まあかさかさ肌も持って生まれた体質と思い、自分に合う方法をいろいろ試して上手に付き合えばよいのではないでしょうか。
■何をきせよう・・・
急に涼しく、というか朝晩冷えるようになったので、「何を着せよう・・・」と悩んでしまう方がたくさんいらっしゃいます。
まだ動けない子どもさんは、短い肌着と長い肌着を着せて、家の中ではベビー服の厚みで調節します。外に出かけるときには、おくるみをして出かけます。抱っこ紐なら、抱っこ紐の外側からバスタオルなどで保護します。すっぽり入るスリングはくるまなくてもいいでしょう。
自分で移動する(寝返り、ずりばい、はいはい)子どもさんは、肌着と上下別々になる服を着せて、起きている時間は積極的に動いてもらいます。陽のあたる部屋で布一枚敷いてひろびろ転がしておきます。
少し汗ばんだら下着を交換します。午前中に外に出て、暑くなってきたらバスタオルなどにくるんでいるものを足元だけくるむ、などして調節します。ベストなども着脱が簡単で便利です。
■お母さんのおっぱい お大事に
下記の通り乳がんの講演会を行います。女性の23人にひとりが乳がんになるといわれています。自分だけはならないとは誰も言い切れない現代です。健診の大切さ、知っておくと怖くない正しい情報をお伝えします。是非ご参加ください。是非お父さんを連れてお越しください。プレイルームを準備しますので、お母さんの勉強の間子どもさんが飽きてしまったら、お父さんと一緒にプレイルームで遊ぶことができます。どうしてもお父さんのご都合がつかないけれど講演会に参加を希望される方は、保健婦までご相談ください。
もしも私が乳がんになったなら・・・
現在乳がんは、成人女性の23人に1人の割合で発症すると言われています。私は23人に入らない、とは今や誰も言えません。女性が最もかかりやすいがんでありながら、発見の遅れもあり、残念ながら現在では死亡率も下がることはありません。では、
もしも乳がんになったなら、早く見つけて、より良い治療を選び、受けることが大事です。そのためには乳がんをよく知ることが役立ちます。
この講演会を、ぜひご活用ください。
葉っぱが少しだけ色づいてきました。
朝の冷たい空気と「後もう少し寝たい・・・」という布団の暖かい誘惑の間で葛藤する季節になりました。肌もかさかさしてきたし・・・。
日一日と秋が深まって、日差しも変わってきました。
みなさまいかがお過ごしですか。
■思い通りにならない同士
子育てって思い通りにならないことがいっぱい、かと思えば、思いもかけないお楽しみがあったりして、いろいろな意味で期待を裏切り続けてくれます。
大人になってから、確かに思い通りにならないこともあったけど、それなりに自分流な納得の仕方で回避して、日常を送ってきました。しかし、子どもが生まれてから自分ではどうしようもないこと、とっても多いとお母様感じているかもしれません。
思い通りにならないなあ・・・、夜になると寝てくれなかったり、毎日ぐるぐるお散歩に行かなければならなかったり、出かける時間を決めて行動しようと思ってもいざ出かけるときになると「うんちでました、ゲロりました」と出かけられなくなり、外食もできず、祖父母が意外といらない物をたくさん買ってくれたり、よさそうだと思うおもちゃを買い与えても私の携帯やタッパの蓋に夢中になったり、時間かけて作った離乳食には目もくれず、ビンに入っているベビーフードだとわしゃわしゃ食べたり、思ったよりピンクの服が似合わなかったり、・・・。思い通りにならない・・・。
しかし、当のご本人たち0歳、1歳、2歳の頃の子どもはみんな「思い通りにならない〜っ」ってギャーギャーいうのよね。思い通りにならなくて泣いているのはお母さんだけじゃないのねー。0歳のときは自分でほしいものがあっても思うように手が届かない、人恋しい、背中がかゆい、目線が低い、とギャーギャー言い、歩けるようになったらなったで、歩けるけど抱っこしてくんなくちゃいやーってギャーギャー、もっと上手にお口がきけるようになっても「自分でやるー」って騒ぐ。大人のようにやりたいけど上手にできなくて「でぎない〜っ」ってぎゃーぎゃー言うようになるのです。やーねー。
そんな成長を見せたときにはお母さんが今感じている「思い通りにならないっ」というこの「いらつき」を思い出して、「そーかそーか、イライラするか、わかるわかる」と言ってあげてくださいね。「あたしもそーよ、思い通りに行かないとイライラするよねー」って共感してあげてください。共感は一番の癒しの入り口ですからね。(同居している方が解ってくれないとイライラするでしょう)イライラの子どもには、人生の先輩としてちょっと余裕で共感をお願いします。
■自分で自分を褒めてあげよう
マラソンの有森さんがオリンピックのマラソンで銀メダルを獲った時、ゴールしてこんなことをいいました。「あの時もっとがんばっていればよかった、あのときもっとやっていれば、そう思わないように一生懸命やって、そして、今日こそは自分で自分を褒めてあげたい」と。
子育てで自信を持てなくなったり、うまくいかなくて辛くなることが時々あると思います。そんな時には必ず「自分で自分を褒めてあげよう」。だってお母さんは一生懸命やっているもの。一生懸命やったって、すべてが思うように行かないのが子育てだから、うまくいかなくたって、自分を褒めよう。この大変な世の中でよくぞ慣れない子育てなんかやって、毎日この子を生きさせてあげて、自分のことは二の次に髪振り乱して笑顔で今日一日を丸く治めちゃって、えらいぞあたし。家の中は片付いていないけど、子どもはなんだか笑ってるぞ、それは私がいるからね。えらいぞあたし。って
■抱っこして
一日の子どものお世話の中で、一番長い時間を費やしているのはもしかして「抱っこ」。ミルクをあげても、おしっこを替えても、何をしても泣きやまない時、たぶん子どもの望んでいるのは「抱っこ」。
子どもがまだ小さいときには「抱っこかな?」とこちらが察して抱っこするので、「とりあえず抱っこ」、という時間も含めると相当「抱っこ」しますね。
子どもの立場からすると、生理的な欲求を満たされた後、高度な人間らしい欲求を満たしてもらうために抱っこを要求しているようですが、簡単に言うと「親がそばにいることを確認したい」「安心したい」「愛情を確かめたい」なのだそうです。泣いて欲求を通すうちは親も寛大で、他にやりようもないので「抱っこ」しますが、歩けるようになり、しゃべれるようになると自然と抱っこが減ります。
赤ちゃんの「とりあえず抱っこ」は減りますから、いざというときに「抱っこして」の要求がでます。しかしながら、6歳くらいまでは「抱っこ要求」はとても潜在的にあると私は見ています。「抱っこ」というあからまさな要求がなくても、何かの折には抱っこする、ということが子どもをとても安心させるような気がしています。買い物後にベビーカーに乗らないで抱っこをせがむのは、人ごみで緊張した、疲れた、という心を抱っこで安心させたい、という子どもの遠まわしな要求とみています。お父さんお母さん抱っこして、ふわりと親につつまれる経験が何をおいても「安心」という親子のゆるぎない関係作りのエッセンスとしたら、可愛い、ごめんね、だめよ、どうしたの、今日はね・・・のことばとともに、「抱っこして」。
■独りぼっちじゃない
育児中に精神的に「独りぼっち」を経験してしまうことは誰にでもあることなのかもしれません。世間に取り残されているような気がする、毎日毎日大変で、どうして私ばっかりこんなに大変なの、と思う、そんな気持ちをたくさんのお母様から聞くことがあります。
子どもはこんなにかわいいのに、こんなことを思う私はほんとうに情けない母親です、と電話口でしくしく泣き出すお母様もいらっしゃいます。本当に情けないのはお母様ではなく、育児が大変なこととわかりつつ手を上手に差し伸べられない周囲のあり方だと思います。周りは助け舟を出す準備はありますが、タイミングがわからないのです。いつ何を、をいつも迷っています。大きな声で、なるべくはっきりとSOSを出してください。情けなくていいではないですか。上手でなくていいではないですか。背伸びせず、わからなーい、できなーい、助けてー、と口に出してください。
そのSOSで子どももお母さんも救われるなら、どんな小さなことでも声に出して助けを求めましょう。
寒い寒い北風に、お散歩がつらいなあ・・・と独り愚痴(独り言の子育て活用形)のひとつもつぶやく季節になりました。みなさん、北風に負けずにお外に出てきてくれてありがとう。子どもに代わって御礼申し上げます。
寒いので、日向を探しに首を温めてでかけましょうね。
■流行通信 ノロウィルス・ロタウィルス
感染症・食中毒にご注意を。
テレビでもすっかりお馴染になった
「ノロウィルス」高齢者の施設などで急激に広がりましたが、11月〜12月が大流行のときです。
これらのウィルスは潜伏期間が短く、強い感染力を持つウィルスで、ヒトのの体に入ると下痢やおう吐、発熱などを起こします。ふつうは1〜2日程度で治りますが、小さなお子さんやお年よりは、長引く下痢で脱水症状を起こしたり、おう吐物を喉に詰まらせたりする心配があるので、注意が必要です。ロタウィルスは子ども特有の下痢嘔吐症で、昔は白い便が出る、といっていましたがそういうわけでもありません。ノロウィルスは大人もかかるので、子ども→お母さん→お父さん、とつぎつぎノロ(呪)いの館になる可能性も多いのです。
予防のポイント
1、とにかく石鹸(流水)で手をよく洗う。
トイレの後、オムツ替えの後、食事の前、授乳の前、料理の前、調乳の前には必ず石鹸で手を洗います。外から帰ってきたパパやほかの家族の方にも、まずは手洗いをお願いします。オムツを替えた後におお泣きされて、手をパッパと洗ってミルクを急いで作って、などということもありがちな日々。手洗いだけは忘れずに。
2、感染した人の便やおう吐物には触れない。
ウィルスはごく僅かな量でも、手を介して感染してしまう可能性があります。直接手を触れないよう、使い捨ての手袋やティッシュペーパーなどを使って処分します。症状が消えてから、2週間ほど、便の中にウィルスが排泄されます。
3、カキなどの二枚貝はよく加熱して。
カキなどの二枚貝は、ノロウィルスに汚染されていることがありますが、十分な加熱でやっつけることができます。調理器具も清潔に。食べてから1〜2日後に症状が出るのが特徴です。なので、今日を食べたものを思い出しても思い当たらない・・・などということがあります。
心配な方は
下痢やおう吐、発熱などの症状がある場合には、早めに医療機関に受診しましょう。
ただし・・・薬はあまり効果がありません。体力回復が一番の効果です。
乳幼児は特に脱水によって重篤な状態に陥ることがありますので、下痢、嘔吐がひどくミルクが飲めない、というときには必ず受診してください。
■見てる場合か
育児の結果というものは、すぐに出るものと後で出るものがあります。結果が出にくいものに関しては気になるところです。今からだが小さくても、15歳くらいには標準になっているから大丈夫だとか、未来が見えるといいのですがそうも行かないので小さいことに悩むこともあります。湿疹がでて薬を塗ったら治った、なんてことは本当にすぐに結果が出て安心します。
さて、後で出るであろう結果の中で研究がされているものもあり、気にしておいたほうがいいなあ、というものもあるのでお知らせします。
それはテレビの視聴についてです。皆さんも「よくない」と思いつつテレビが一日ついてる、とか、パパが帰ってくるとテレビをつけてしまうのでイヤだ、とかいう声も聞かれますが、テレビが長い時間子どもの耳に、目に入ってくる環境は子どものことばの発達や精神的な成長と安定に影響を及ぼすことが指摘されています。授乳中はもちろんですが、2歳まではテレビの刺激に子どもをさらさない工夫が必要です。30分たったら消す。子どもがチャンネルを支配しないような工夫が乳児の頃から必要です。ママは隠れてテレビをみることにしましょう。(そこまでしなくてもいいか・・・)
「見てる場合か」と書いた張り紙がテレビの枠に貼ってある、そんなご家庭に新生児訪問で伺ったことがあります。
「どんな場合なのか?」と心の中でつっこみなど入れて見ましたが昼間お母さんの手がテレビのスイッチに伸びるのを抑制しようとパパが書いたのでしょうか。真相はわかりませんが、おもしろいなと思いました。パパのかばんには「飲んでるばあいか」などという紙がこっそり入っていることを期待する私です。
この記事を書いたのは3年前。その後このお父さんから返事が来ました。「あれは、自分のために書いた物で、忙しい毎日で子どももできて益々忙しい。こんなに忙しいのだから、今までの生活の中で何か削らなくてはいけない。そして削るとなったら家でだらだらしていた部分、特にテレビを見ている自分だ、と思ったそうです。自分の手がテレビのスウィッチに伸びる時、自分の目がテレビの画面をボーっと見つめるとき、そんなことがなるべくないように、自分への戒めとして書いたそうです。みんなこんなお父さんだといいんだけど。まさか子育てそっちのけで、新しいゲームソフトを買いに並んだなんてお父さんはいないでしょうねえ・・・。
■暴力は犯罪です
育児相談の通信にはどうかな・・・と悩んでいましたが、もっと深い悩みの中で子育てしていらっしゃる方がたくさんいるので書いてみました。身体的、精神的、経済的、性的な相手(98%は妻)の人権を侵害する行いはDVです。DVの家庭で子育てをすることは、子どもへの虐待に値します。
配偶者(パートナー)からの暴力は犯罪です
もしあなたが暴力を受けているのなら
一人で悩まずに相談してください。
まず、あなたと子どもの安全を最優先にしてください
自分を責めないでください
あなたの選択・決断が大切です
『あなたらしい生き方』を応援します。
※この育児相談通信は掲載にあたり著作者のご了解をいただいております。