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H18.2.20(月) 富山新聞
 富山発 子守唄「おひざでねんね」感動の響き
【1面】
 「とやま子守唄フェスタ」(富山新聞社主催、富山県、富山市など後援)は十九日、富山市の富山国際会議場で開かれ、富山新聞社が「21世紀の子守唄を創ろう」と題して初めて公募した歌詞と曲の表彰式が行われた。大賞となった子守唄「おひざでねんね」が演奏され、会場の人たちも声を合わせて歌い、富山発の新しい子守唄の誕生を祝った。

 第一部では歌詞で大賞に輝いた保育士、中屋麗子さん=滑川市=と、その歌詞につける曲で作曲賞を受賞した呉羽高二年、清水結さん=朝日町=がそろって賞状を受け、創作のきっかけなどを話し、日本の歌演奏グループ「夕焼けの会」が「おひざでねんね」をさわやかにうたい上げた。これに先立つ表彰式では、歌詞の優秀賞、佳作賞のみなさんに賞状と副賞が手渡された。
 「夕焼けの会」が、主宰の小柳和行さん=滑川市=作曲の「そばの花」など富山の歌三曲をしっとりと奏で、富山児童合唱団と富山東部児童合唱団の三十五人が富山の四季を歌った五曲を伸びやかに披露した。
 第二部では味のある演技で知られる俳優の山谷初男さんが、ぼくとつとした秋田弁で「花咲き山」という昔話を語り、会場を懐かしい雰囲気に包んだ。
 続いて女優の柴田美保子さんが、NPO法人日本子守唄協会に全国から寄せられた八通の手紙を朗読、それぞれの人生と歌のかかわりを紹介した後、ギタリストの原荘介さん、歌手の川口京子さんが、「里ごころ」「仰げば尊し」「戦友」など十一曲を歌い上げた。
 聴衆は人々が歌に込める思いの深さに触れ、自らの歩みと重ねて静かな感動にひたった。
 最後は山谷さんや同協会の西舘好子代表が加わって、「おひざでねんね」と「ゆりかごの歌」で会場といっしょに声を合わせた。 
 表彰式に先立って、宮本佐智夫富山新聞社代表と森雅志富山市長が順にあいさつした。

○ あらゆる歌、子守唄に 第2部 清らかな旋律に涙
【26面】
 「あらゆる歌は子守唄になる」。NPO法人日本子守唄協会の西舘好子代表の言葉を体で実感するような子守唄フェスタ第二部のステージだった。
 柴田美保子さんが静かに手紙を紹介する。
「おじいちゃんになったのだから歌くらい歌ってあげなさいと強制されて口を出たのが『仰げば尊し』でした」という便りには、怖い教師が卒業式に涙をぽろぽろ流しながら大声で歌っていた思い出も。そしてその人にとっての子守唄は「誰が何と言おうと『戦友』です」とつづられていた。
 それにつづいて川口京子さんが「仰げば尊し」を歌う。初めて聴く宗教曲のように清らかに響く旋律に、人生の重みと自らの学校生活を思い出すのか、会場のあちこちで目をぬぐう姿が見られた。
 「ここはお国を何百里」と、原荘介さんがギターの弾き語りで歌った「戦友」も、年配の聴衆の感涙を誘った。
 それに先立ち、俳優の山谷初男さんは、「私の子守唄です」と寺山修司の詩による歌「名もない魚」を歌った。秋田から東京に出てきた山谷さんの心をこの歌が温めてくれた。「世の中には人にしか伝えられないことがあります」。西舘代表の確信にも似た言葉が胸に響いた。

  21世紀の子守唄心温かに 会場包む合唱の輪
【27面】
 子守唄の重要性を見直す運動の輪は、数年で全国に大きく広がった。六年前、そのきっかけを作った富山で新しい時代の「子守唄」が産声を上げた。十九日、富山市の富山国際会議場で開かれた「とやま子守唄フェスタ」では、聴衆は温かな雰囲気の中、新鮮な感覚で作られた「こころの歌」の誕生を祝った。

 「とやま子守唄フェスタ」は二000年に第一回が開かれた。このイベントを契機に、同年設立の日本子守唄協会がかかわる催しは全国に広まり、現在では年間二百回近くにも達している。
 今回、富山らしさを加味しようと行われた「21世紀の子守唄を創ろう」の歌詞コンクールには、全国から五百三編の応募があった。大賞となった中屋麗子さんの作品は、山の子ギツネたちが母さんのひざでねんねするという優しさに満ちた詩。
 この歌詞に呉羽高音楽コースの約五十人から曲を募り、その中から清水結さんの揺れるように優美なメロディーが選ばれた。 
 歌いやすく覚えやすい歌詞と曲は一度で人々の心をつかみ、フェスタの最後にはパンフレットに記された歌詞と楽譜を見ながら、会場全体で温かい歌声の輪を作った。
 家路につく人々の中には「おひざでねんね」を鼻歌で歌う人もいた。
 子守唄の活動は、地域に根付くことで、一段と実りあるものに成長した。

 「おひざでねんね」を作詞した中屋さんは、職場である保育園で園児に子守唄を聴かせる時、どの園児も自分の顔を真っすぐ見つめる体験を通じ、子どもの瞳に何か責任感に近いものを感じて詞を作りたいと思ったという。歌詞を作るのは初めてだったが、「子守唄を歌う時はいつも素晴らしい時間が流れている。その時感じる素直な気持ちを表現できた」と話した。 
 作曲した清水さんは、歌詞を読んで感じた温かさを、好きな八分の六拍子の旋律にのせた。朝日岳で山小屋を営む母から受賞を祝福されたことが何よりうれしかったという。「幼いころ山小屋で自然に親しんだ経験と、歌詞の優しい印象を重ねると、自然にメロディーが出来上がった」と話す。
 二人は「夕焼けの会の歌声が曲に命を吹き込んでくれたようで、感動した」と声をそろえ、夕焼けの会のピアニスト高柳真理さんは、「大賞曲はステージ上でみんなの力で完成された」と喜んだ。



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H17.5.27(金) 読売新聞夕刊
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